History 明治15年(1882年)創業
幾世代にもわたり継承されてきた優美な漆の伝統工芸
匠の技術

私ども「谷岡家」の祖先は歴史を奈良県吉野にまで遡ります。
木々深い、銘木に囲まれた土地に育った先祖は、彼の地黒江へ移り、
同じく木を扱う漆器の職人へとなってまいりました。

「吉野家文右エ門」の名はその吉野の流れを汲み、谷岡公美子はその5代目にあたります。

当漆芸は主に伝統的工芸品である、木製蝋色漆器を製作しています。

明治15年(1882年)創業以来、「伝統」と「格式」を重んじ、現在は4代目の伝統工芸士(塗り部門)、
瑞宝単光賞受賞・和歌山県名匠である谷岡敏史と
5代目伝統工芸士(総合部門)谷岡公美子が製作しています。

地域の風土に根ざし、自然の大地の恵みである国内産天然木の刳りぬき木地(桧やケヤキ)を
長い歳月をかけ十分に乾燥させ、 天然原材料(天然漆・砥の粉・地ノ粉など)を用い、
良質な漆を100%用いて、幾重にも塗り重ねて模様を研ぎだす技。
幾世代にもわたり継承されてきた塗りの技術で一つ一つ丁寧に製作しているため全て模様が違います。

漆工芸の伝統を誇る蠟色 仕上げで鮮麗に研ぎ出し仕上げていますので、
歳月を経るに従って鮮明になり、優雅で品位高い風合いを増していく根来塗・瑞雲塗などを主に製作しています。

また本格的な蒔絵を施したアクセサリーなど女性を中心にお客様にご好評いただいております。

明治より受け継がれ、洗練された技術がここに在ります。

Process製品ができるまで

吉野家文右エ門4代目

谷岡 敏史〔Toshifumi Tanioka〕

谷岡 敏史 写真

伝統工芸士(塗り部門)、瑞宝単光章受章、
和歌山県名匠

吉野家文右エ門5代目

谷岡 公美子〔Kumiko Tanioka〕

谷岡 公美子 写真

伝統工芸士(総合部門)
 

谷岡漆芸の “極の技法” 漆仕上げの最高峰
~ 蠟色(ろいろ)塗 ~

私ども谷岡漆芸の至高の逸品、それが伝統技法“蝋色(ろいろ)塗”です。
蝋色塗りは、数ある塗りの技術の中でも漆仕上げの最高峰と呼ばれる技術です。
蝋色は、最高級にふさわしい透明感を伴い、その技法は、油分を含まない国産の蝋色漆を、
研ぎ炭で平に研ぎ出した塗り面に生漆(摺り漆)を研ぎ面にすりこみ、
種油と鹿の角粉(つのこ)を用い、漆を塗ったはけ目を一切残さず、
鏡面のような透明感ある艶やかな光沢が顕現するまで 研磨し続ける、
職人最高峰の技術の粋を極めたものです。
気の遠くなるような地道な研ぎが、職人技の至高の逸品を作り上げます。

製品紹介

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黒江塗・海南の歴史
紀伊国の黒江塗 室町時代から遺る職人たちの軌跡の町

600年以上の歴史を持つ和歌山県海南市「黒江」。

黒江塗(現在の伝統工芸品紀州漆器)の発祥地であり、江戸の初期には既に
多くの職人がこの黒江で漆器町を形成し漆器づくりに関わっておりました。

江戸時代に紀州藩のお墨付きをもらった問屋が’’紀州物’’として全国へ知られ、
日本3大漆器産地の1つへと成長いたします。

漆器町である黒江は分業生産に支えられ、曲物など様々な木地を作る木地職人、
下地職人、漆塗職人、絵描き職人、表通りには製品を売る問屋と漆を精製する店が
軒を連ねた活気にあふれた’’職人一体’’の職人町でした。

干拓地であった現海南市地域は’’黒牛潟’’と呼ばれ、その地の利を活かし、
通りには水路が張り巡らされ、海運を通じて全国へ出荷されました。

2017 年こうした街並みは日本遺産「絶景の宝庫和歌の浦」として
万葉から続く文化遺産のひとつに加わりました。